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✳︎4✳︎ 「紅赤 〜いやしろで扱う、さつまいもの女王〜」

こんにちは!管理栄養士の鹿島です。

こちらのブログでは、皆さまのお役に立つ野菜や栄養素のお話、食養のお話などを中心に書いていく予定です。

是非とも皆さまの毎日にお役立てください✳︎

 


 

さて、今回のテーマは

✳︎4✳︎ 「紅赤 〜さつまいもの女王〜」

についてです。

 


 

【いやしろでは「紅赤」を使用した料理をご提供しています。】

 

 

(1)紅赤とは?

 

ニュース欄でもご紹介させていただいたように「いやしろ」では、主力食材として「紅赤」を使用しております。

そしていやしろで使用している紅赤を作っているのは、「松沢英夫さん」という農家さんです。

 

紅赤は、1898年(明治31年)にさいたま市浦和区(旧木崎村)の農家の山田いちさんが発見したさつまいもで、今や関東を代表する「さいたま市発祥のさつまいも」だと言われています。

当時はとても甘い芋として人気を博し、【さつまいもの女王】ともいえる存在だったそうです。

 

紅赤は、過熟すると黄色みが増し、素朴な甘さになることが人気となり、大正から昭和初期にかけて県内で最盛期をむかえていました。

ですが、その後は栽培の難しさから作り手が激減し、紅赤は希少と呼ばれるようになりました。

 

そこで松沢さんは今から10年前に植木栽培から野菜づくりに転向され、見沼区で紅赤の生産を始められました。

松沢さんは紅赤という名をつけた吉岡三喜蔵さんという方のお孫さんにあたり、その吉岡さんは紅赤を発見した山田いちさんの甥にあたるというので、まさに華麗なる一族です。

(こちらの内容はニュースの記事でもご紹介しています。)

 

現在親戚の中で紅赤の栽培をしているのは松沢さん1人だけなのですが、この収穫量が少なく栽培も難しい紅赤を発祥の地で作り続けたいという熱意を持っておられる松沢さんを少しでも応援したいと思い、いやしろでは「紅赤」を使用しています。

 

 

(2)さつまいもの概要

 

さつまいもは中南米が原産といわれ、紀元前から栽培されていました。

コロンブスによってヨーロッパに伝わり、その後アジア諸国へ広がりました。日本には17世紀の初めに入ってきたと考えられています。

つまり日本には、中国から琉球(今の沖縄県)にやってきて、さらに琉球から薩摩(今の鹿児島県)、薩摩から江戸(今の東京)に伝わったと言われています。

 

そのため、中国(唐)から伝わって来た芋という事で唐芋(からいも)、薩摩から伝わって来た芋という事で薩摩芋(さつまいも)と呼ばれています。

唐芋と呼んでいるのは、鹿児島県や宮崎県の方が多いようです。関東などでは薩摩藩から伝わったものとして「さつまいも」と呼ばれるようになりました。

 

さつまいもは、やせた土地でも育つことから飢饉に強い作物として栽培が奨励され、全国的に普及しました。

質の良いものは、皮の色にムラがなく、ふっくらとしています。

 

 

(3)さつまいもの成分と効能

 

<でんぷん>

さつまいもの主成分はエネルギーのもととなる「でんぷん」で、このでんぷんが貯蔵や長時間の加熱によって糖分へ変わり、さつまいも独特の甘みが出てきます。

でんぷん質を多く含むさつまいもやじゃがいもといった「芋類」はでんぷんが供給源とされており、野菜とは区別され流通されています。ですので、間違える方が多いのですがさつまいもは野菜ではありません。

パプアニューギニア高地人は、さつまいもを主食にしているそうです。

 

<ビタミンC>

さつまいもに含まれるビタミンCは、他の野菜などに比べて加熱調理をしてもビタミンCが失われにくいという特徴があります。

ビタミンCは、皮ふの健康に大切なコラーゲンというタンパク質を生成するのに役立ち、美容によい栄養素だと言われています。また、身体を老化させ、がんの発生源の一つにもなるとされている活性酸素を捕捉し、無害化する「抗酸化作用」 があります。鉄などの吸収率の低いミネラルの吸収をアップさせる働きもあります。

ビタミンCはさつまいもの皮にも多く含まれているので、さつまいもは皮ごと食べることをおすすめします。

 

ちなみにさつまいも1本(中サイズ約200g)のビタミンC含有量は約60㎎です(皮むき生/蒸し)。

日本人の食事摂取基準では、18歳から29歳の男女のビタミンC推定平均必要量は80mg、推奨量は100㎎です。

つまりさつまいも1本で、18歳から29歳男女に必要なビタミンCの半分以上を摂取することができるということになります。

 

※推定平均必要量(estimated average requirement:EAR)

  • ある対象集団において測定された必要量の分布に基づき、母集団(例えば、30~49歳の男性)における必要量の平均値の推定値を示すもの。
  • 推定平均必要量は、摂取不足の回避が目的だが、ここでいう「不足」とは、必ずしも古典的な欠乏症が生じることだけを意味するものではなく、その定義は栄養素によって異なる。

※推奨量(recommended dietary allowance:RDA)

  • ある対象集団において測定された必要量の分布に基づき、母集団に属するほとんどの者(97~98%)が充足している量。

 

 

<食物繊維とヤラピン>

食物繊維には、水に溶ける「水溶性食物繊維」と水に溶けにくい「不溶性食物繊維」の2つがあります。

水溶性食物繊維は腸内の善玉菌を増やして腸内環境を良くし、便秘を改善する働きがあります。一方、不溶性食物繊維は腸内で膨らむことにより、腸を刺激して蠕動(ぜんどう)運動を促すことで便通が良くなります。

ちなみにさつまいもには水溶性食物繊維、不溶性食物繊維の両方が含まれています。

 

食物繊維が便秘にも効果的であることは多くの方が知っていると思いますが、自分の便秘の原因を理解したうえで、水溶性食物繊維の多い食べ物をとるか、不溶性食物繊維の多い食べ物をとるか考えるとよいと思います。

(腸の動きが低下してしまっている便秘の人は、不溶性の食物繊維をとり過ぎると腸内の水分を吸収しすぎてしまうのでさらに便が固くなり、消化管に負担をかけます。また、便の”かさ”が大きくなり過ぎ、スムーズに進まなくなってしまうおそれがあります。そのため、さつまいもと一緒にしっかりと水分を摂る事もおすすめします。)

 

ちなみにさつまいも1本(中サイズ約200g)に含まれる食物繊維総量は、約6mg(皮付き/生)で18~29歳女性の食物繊維目標量の約1/3、18~29歳男性の食物繊維目標量の約1/4を摂ることができます。

 

また、さつまいもに含まれる「ヤラピン」という成分(切り口から出る白い液体)は皮に近い部分に多く、便を柔らかくしてくれるので皮ごと食べると食物繊維との相乗作用により便秘予防に効果的です。

 

※目標量(tentative dietary goal for preventing life-style related diseases:DG)

  • 値を設定するに十分な科学的根拠を有し、かつ現在の日本人において、食事による摂取と生活習慣病との関連での優先度が高いものについては、目標量を設定する。
  • 十分な科学的根拠により導き出された値が、国民の摂取実態と大きく乖離している場合は、当面摂取を目標とする量として目標量を設定する。

 

 

<カリウム>

人間の体内では、細胞内にカリウムが、細胞外にはナトリウムが多く存在して、常に一定した状態(恒常性)を維持しています。

しかしカリウムが不足してバランスが崩れると、細胞内から水分が血液中にしみだし、血液をはじめとする細胞外液が増加します。これが高血圧の原因のひとつとされているのです。

 

また、ナトリウムが細胞内に移動したり、カリウムが細胞外に移動したりすることで電流が発生し、シグナルが伝えられます。これは筋肉の収縮にも関係しているため、ナトリウムとカリウムのバランスが崩れると、筋肉が正常に動かなくなって「けいれん」が起こることもあります。

 

カリウムはナトリウムを排出する作用があり、むくみにも効果的です。血圧が高めな人に積極的にとって欲しい栄養素です。(腎臓の機能が弱っている人は、カリウムの摂取量に注意してください。)

ちなみに人間は、1日で摂取したカリウムとほぼ同量のものを尿や便、汗を通じて排泄し、体内のカリウム量を一定に保ちます。

 

 

(4)さつまいもと調理

 

さつまいもに含まれる「でんぷん」は、加熱によって「糖」にかわります。さつまいもには、でんぷんを分解して麦芽糖やオリゴ糖に変える『アミラーゼ』という酵素が含まれるためです。

麦芽糖は水飴の主成分でもあり、砂糖の約1/3程度の甘味があるため、アミラーゼをよく働かせることで甘いさつまいもにすることができます。

 

アミラーゼは、70℃前後で活性化するため、この温度帯をいかに長く保つかが美味しく焼くポイントになります。さつまいもといえば「石焼いも」ですが、これはまさに65〜80℃を長く保つ加熱方法。石焼き芋がおいしいのには理由があるのです。

 

ちなみにさつまいもを「丸ごと加熱」するのも、おいしく調理するポイントです。大きいままで加熱する事によって中までゆっくりと熱が伝わるので、その分アミラーゼがよく働くのです。

ご家庭でさつまいもをおいしく食べたい場合は、さつまいもを丸ごと低温のオーブン(140℃程度)で1〜2時間かけて焼くのをおすすめします。かなり甘く仕上げることができます。

 

ご家庭にオーブンがない場合は、蒸し器やフライパンを使って弱火でじっくり蒸すのもおすすめです。オーブンほどは甘くなりませんが、ほどよく水分が残ってしっとりとした仕上がりになります。

またその場合は、オーブンよりも温度の上がり方が早いので、なるべく太くて大きい芋を選んで調理するとよいでしょう。

 

ちなみに皮の内側にはリング状の筋があり、この部分に褐変する成分が集まっています。

色よく仕上げたい場合は、皮を厚めにむき、この部分を取り除きましょう。繊維も少なくなるので裏ごしをする場合もスムーズにできます。

 

 

(5)さつまいもと保存

 

さつまいもは寒さに弱いので、冷蔵庫で保存するとさつまいもにとっては寒すぎて「低温障害」という状態になり、腐りやすくなります。しかしかえって暑すぎると(約18~20℃を超えると)芽が出てきたりして、それも良くありません。

ご家庭で保存する場合は冷蔵庫での保管はせず、新聞紙に包んでからダンボールなどに入れて、10℃以下の低温にならないように管理することが、長持ちさせるポイントです。

 

また、さつまいもは水気を嫌いますので湿気には注意し、洗ってしまった場合は早めに食べるようにしましょう。土付きのままだと、より長く保存が可能になります。

 

ちなみに、収穫または購入してから一定の温度・湿度の環境下で丁寧に保管すること「熟成(エイジング)」とも呼びますが、熟成することででんぷん質が糖化し、水分と甘み、うまみが増幅した状態になるため、さつまいも特有のかたさやパサパサした食感も気にならなくなります。(購入したさつまいもは2週間程度熟成させるのがおすすめです。)

 

 

 

 

 

皆さまの心と身体が、いつまでも元気でいられますように✳︎

 

それではまた次のブログでお会いしましょう!

ありがとうございました。

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